もう(受験で)博打は打たない
センター試験もあと一月ちょっとに迫ってきた。
学校での最後の模試も終わった。
これの結果はまだだけど、参考にできるとしても2次だから、センターの目安にできるのは11月にあった模試だけだ。
こんな早くに模試が終わっちゃったら目星がつかないよ〜。
うちのこはこれからなんです。
って、
これじゃ去年と同じじゃないかー!
1年猶予与えたはずなのにこれか?
予定では、余裕のAで臨むはずじゃなかったの?
そりゃ去年の今頃に比べたらずいぶん希望は見えるさ。
でも今年はもう博打を打つわけにはいかないのよ。
去年の学部だったら余裕ありそうなんだけど、やっぱそれじゃ嫌なんだろうなあ。
いつまで経っても私立のことを考えない息子に業を煮やして
「どうするん?」と聞いた。
「受けるなら京都かなあ?」
・・・
いわゆる関関同立の、同ってとこだ。
「そこが滑り止めになるん?」
「そこ受からんなら、本命うかりっこない」
福岡で試験を受けることができる、あるいはセンター試験を利用できるなるべく地元に近いところで探したらそこなんだそうだ。
・・・
「地元の私立も受けときね」
「受けん」
ええ〜〜!?
「じゃあ国立落ちたらどうするん?」
「落ちんようにしよる」
「あんた去年もそう言いよったやん!」
「今年は去年とは違う。土台はできとる」
「家から出すのは無理よ・・・。どう考えてもお金が足りん」
「じゃあ京都は受けん。私立全部受けん。地元受かっても絶対行かん!」
「それでどうするんよ!!!」
「もう1浪する」
絶句。
「・・・迷惑はかけんけん」
「かけんって、どうするん?」
「予備校行かんで図書館で勉強するとか」
「あのね。迷惑かけんって、浪人すればあなたが社会に出るのがまた1年遅くなるんよ?
その間面倒みらんといかんやん。」
「・・・。そのぶんは後から返す」
その日の話はそこで終わったんだけど、
悲しくなった。
子どもが現実を考えていないこと、
国立が駄目でも、見合った私立に行かせてあげるお金のないこと。
私立に行かせるのが無理だから1浪したんだから、子どもが考えてないのは当たり前のことなのかもしれない。
でんと構えてあげられない自分の中の矛盾が悲しい。
国立に受かれば考える必要のないことだけど、
受かる確立は100%じゃない。
もしも、は、考えてないと。
来月じゅうには私立の願書も出さなきゃいけない。
ここ数ヶ月ずっと、この先必要なお金のことを考えたら夜も眠れない日々だった。
この1年、小言も言わず待ってきた。
自主性に任せた。
結構自由にやってきたと思うよ。
ほんとに、こんな楽しい浪人生見たことないって感じ。
次の日夫も交えてもう一度話をした。
一晩子どもも考えたようで、
もし駄目なら地元の私立に行くと言った。
どうしても地元の私立に行きたくないというのなら、
大学を諦めて働くしかないよという話もした。
「この1年で地元の国立受かるつもりでやってきたけん、駄目やったらそれだけのもんやけん、それでもいい」と言ったけど、
やっぱり親としては大学に行かせたい。
そこが希望の場所でないなら意味が無いと本人は考えているようだけど、
「もし地元の私立に行ったとしても、あなたはそこで1番にはなれんよ」と伝えた。
同じように国立目指して惜しくも敗れたひとのなかには、同じように地元離れることができないひともいるはずだし、うちのこより優秀なひとがもっと居る。
「トップ校に行ったばっかりに、プライドだけ高くなってしまったね」
「もうちょっと突き抜けて頭が良かったら問題なかったし、もうちょっと悪かったらいっそ諦めもついたのにねえ」と話した。
本人もこれまでの人生を後悔する気持ちなんてみじんもないけれど、もし中学高校で勉強一本に力を入れてたら、突き抜けた可能性はあるかもしれない。
たとえ突き抜けていたとしても家から通えない大学には行かせてあげることができない。
選択肢はもともとひとつしかなかったんだ。
でも突き抜けていれば駄目だった場合を考える必要はなかったかも。
だけど思い出して。
その高校に行ったのは学歴を求めるためじゃなかったでしょう?
もちろん国立進学率の違いも考えたのだろうけど、野球と両立させたかったんでしょう?
あなたにとって、勉強は付けたしだったやん。
親にとっても学力は、生きるための力をつけるために与えたいろんなことの余禄やったやん。
おかげで精神的にはたくましい子に育ってくれた。
私みたいに親にキレてただむやみに反抗するだけで終わるのでははなく、話して理解できる子になった。
親からしたらそれだけでじゅうぶん。
地元の私立は、この親からしたら分相応やん。
地元の就職には強いみたいだしいいやん。
これからでは遅いかもしれないけど、子どもは本当の意味で受験と真剣に向き合うだろう。
前しか向いて進まない子どもに横やりを入れたのかもしれないけど、
きっとこれからもしっかり大地を踏みしめて歩いてくれると信じてる。
どこに行こうと、なにをやろうと。
親は信じるだけなんだね。





